スマホ・PCの普及に連れて慢性的な肩こり、首こりに悩まされている人は増加傾向にあると言われています。
さてさて今回は、肩こりの原因のひとつである肩が上がっている状態についてのお話です。
肩が上がっている状態、肩をすくめたような姿勢でいると、肩甲骨の位置がずれてしまいます。本来あるべき場所からやや上にずれていってしまいます。同時に、腕が内側に入り、まるで猫背の人の姿勢に近いのです。
このような肩の上がった状態を続けていると、血流が悪くなり、肩や首のこり、痛みへとつながっていってしまいます。
なぜ何故肩が上がってしまうのでしょうか?
1.パソコンやスマートフォンの普及
今や仕事の多くにパソコンが使用されていますし、みなさんよくスマホを操作していますよね。これらを操作している時、画面をよく見ようと無意識に前傾姿勢をとることが多くなりますが、この姿勢では背中よりも首が前に出るため、おのずと猫背になり、肩甲骨が上がってしまいます。
また、指先は動かしているのに、体の中心部分である背骨周り(肩甲骨・肩・首など)は全然動きません。この間、ずっと背骨周りの筋肉は固まっているのです。ずっと背中側に力が入っているので、肩も上がりやすくなってしまうというわけなんです。
肩こりだけでなく、頭痛などの原因にもなるので、できるならこまめな休憩を挟みましょう。
2. 筋肉の疲労によるもの
長時間の車の運転やデスクワークなどで、同じ姿勢をとり続けていると筋肉の疲労が起こりますが、中でも背中は筋肉疲労が起こりやすい場所です。
筋肉が疲労すると、正しい姿勢を保っているのが辛くなり、だんだんと楽な体勢をとろうとして肩甲骨が上がってしまいます。
また、腕は体重の6%程度の重さがあると言われ、片方で2~5kgにもなります。
その腕を引っ張っている肩甲骨は、当然負担が掛かりやすくなり筋肉疲労を起こしやすいと言われています。
3. 姿勢の悪さによるもの
肩が上がってしまう原因は、長時間良くない姿勢をしていること、これがほとんどだと思います。姿勢が悪くなる代表的なものは、パソコン、スマホです。
寝転んだままテレビを見る、足を組む、肘を突くなど、重心が偏りがちな姿勢をとるのが癖になっている人は、骨格が歪み肩甲骨が上がった状態になりやすくなります。
4. 自律神経の影響によるもの
背骨には多くの神経が通っていますが、自律神経もその中の一つです。
ストレスや生活習慣の乱れなどが原因でこの自律神経の働きが狂うと、筋肉を刺激する交感神経が優位に立ち、背中が常に緊張した状態になってしまいます。
そして、筋肉の緊張がやがて痛みに変わると、無意識に肩甲骨を上げて筋肉を刺激しないような体制をとってしまうのです。
肩甲骨が上がる理由の1~3のどれにも該当しないにも関わらず、背中にコリや痛みがある場合は、自律神経による影響を考えてみるのがよいかも知れません。
ストレス・緊張など精神的なもののこわいのは、肩が上がって固まることで余計にリラックスできず、肩も気持ちも上がってしまうという、負のループが続いてしまうことです…
肩甲骨が上がっていると、様々な弊害があることがおわかり頂けたと思いますが、
肩甲骨は背中にあるため、簡単に目で見て確認することができません。
そこで、肩甲骨の状態をセルフチェックする方法をご紹介します。
次の事項で、1つでも当てはまるものがある場合は、肩甲骨が上がっている可能性があります。
肩甲骨のセルフチェック方法
1背中に両腕を回し、片方は肩の上から、もう片方は腰の位置からそれぞれ対角線上に伸ばした時、指先が触れない・掴めない。
2周囲から猫背を指摘されることが多い。
3ブラジャーのホックを胸の前で付けてから、背中に回している。
4常に背中の中心にコリを感じている。
5目の前で両腕を直角に曲げ、肘を付けたまま水平以上の高さに上げることができない。
6立った状態で体の後ろで手を掴み、掴んだ手を腰骨の高さまで上げることができない。
肩甲骨が下がるというのは、肩甲骨が外に開き上がってしまっている状態を、本来の正しい位置に戻すことを言います。
では、肩甲骨が下がるとどのようなメリットが考えられるのでしょうか。
次回に続きます。